【ミドル-シニアの転職】50代 日系企業⇒外資系日本法人Country Manager
今の会社に残ることの方が転職をするより不自然です
先日私がサポートをさせて頂いた50代の方が、会話の中でごく自然に呟いた一言です。
ややもすれば聞き逃すくらい、サラッと言われましたが、私の中ではとても印象に残りました。
その方はとある有名な日系企業1社で勤め上げられ、海外法人や関連会社の経営など、責任あるポジションを経験した方でした。
同じ会社で約30年も勤められ、こんなに華々しい経験をされてこられたのに、なぜ転職を考えられているのか?
その問いに対する答えが、冒頭のごく自然に言われた一言です。
少し背景をうかがってみると、コロナ禍に突入して、自分のポジションがなくなってしまった。現在の業務は全くの未経験で専門性もないし、今の会社に残ることの方が0からキャリアを築いていくに等しい。だから、転職はとても自然な選択なのだと。
結論を申し上げると、その方は私が担当している外資系企業の日本法人のCountry Managerとしてオファーを頂き、ありがたいことに受諾頂くことができました。
面接をしていただいた本国のエグゼクティブからの評価も高く、私を信頼して私だけにこのプロジェクトを任せてくれたクライアントにも報いることができたかなと、個人的にも非常に嬉しい仕事でした。
一方、この冒頭の一言からは、今後同じようなケースが出てくることを予感させる節があります。この方も、転職市場における自分の希望に沿う求人の少なさにはだいぶ驚かれていましたし、転職を考えられている同僚の方も同じように思われているようです。
明日ポジションがなくなったとき、あなたはどうしますか?
人それぞれ危機感の度合いは違うと思いますが、就職すれば安泰とされてきた企業も早期退職を実施したりと、終身雇用も崩れ気味ですし、日本の雇用の状況も大きく変わってきていますね。
私も日々業務の中で、40-50代で早期退職に応募されている方や、今回のようにご自身のポジションがクローズしてしまった方とお話することがあります。
絶対的な正解はないのですが、一つ言えるのは、できる限り早く動き始めることでリスクは抑えることができます。
一例ですが:
・人材紹介会社と接点を持っておく
・Linkedinや求人サイトで募集要項を見ておく
※特にLinkedinは自分の類似プロファイルを見ることで過去の成功事例を垣間見ることができるので面白いです。
・職務経歴書を書いたり、自分の経験、スキル、実績を言語化しておく
私自身も気を付けていますが、日ごろから外の機会にアンテナを張っておくことは大切です。基本的に人は比較して物事を判断することが多いですが、外部機会を知ることで今の良さも知ることができるかもしれません。
転職活動はある意味売り込みです。自分をどのように商品化するか、どの市場に出るべきなのか、需要があるのかは考えておいてもよいかもしれません。市場を知るには客観的な目線も必要ですから、紹介会社や実際に転職をされた方の体験談も役立つでしょう。
少し概論的なところに反れてしまいましたが、ミドル-シニアのこうした事例は増えていきそうです。